木更津工業高等専門学校紀要
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関東ロームの比表面積・ポアー分布特性とその工学的性質に及ぼす影響 -土の吸着特性に関する研究-(3)
飯竹 重夫
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1981 年 14 巻 p. 37-47

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抄録

関東ロームの土粒子構造,特に表面特性について比表面積とポアー分布の面より明らかにすると共に,工学的性質との関係についても検討した.その結果次のことが解った. (1) 関東ロームは団粒径が大きくなるほど比表面積は大きくなる. (2) 関東ロームでは熱処理温度250℃で比表面積が最大になり,600℃でポアー容積は最大となる.これらの値は600℃以下では急激するが,電子顕微鏡観察やX線回析から粒子の結晶化が進んでいると考えられる. (3) ポアー分布から関東ロームは他の粘土に比し,ポアーが多く,特に10nm以下のミクロなポアーが多い多孔質な構造である. (4) ポアー容積の多い土ほど土粒子へ付着,吸着している水分量は多い. (5) ポアー容積の多い土ほど吸水による膨張量は多い.

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© 1981 独立行政法人 国立高等専門学校機構 木更津工業高等専門学校
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