写真測量とは,被写体を投影し間接的に被写体の位置,形,大きさなどを測定する技術である.この写真測量は,平板測量では作業が困難な地域や広範囲にわたる地域の地形図作りに重点をおいて発達してきた技術である.しかし,最近では測定技術としての写真判読の方法も発達し,従来の測量法と並行し使用されるようになった.本研究では,写真測量の中の地上写真測量を例にとり地形測量の解析を試みた.地上写真測量は近年急速な発展をとげ,現在ではすでに多発する交通事故の現場処理や考古学,建築学等の研究など,欠くことのできない測量法となっている.したがって本研究においては,これらの利点を応用し,既設路線において地上写真を路線長380mにわたり縦断・横断方向を撮影し,高低差,距離の図化値と従来よりの地形測量の実測値を比較検討し,これによりいままでのような多大な労力及び時間を浪費する外業を行なわず,写真の図化という内業で作業の簡素化の妥当性をみいだそうとするものである.
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