抄録
平成20 年度の文部科学省委託により実施した大阪府における環境および各種食品中放射能調査結果を報告する。調査は、降水中の全ベータ放射能測定、環境試料(降下物,大気浮遊じん,上水,海水,土壌,海底土)および各種食品試料中のガンマ線放出核種分析[セシウム137,ヨウ素131,カリウム40 等]および空間放射線量率について実施した。
平成20 年度の環境および各種食品中の放射能および放射線のレベルは、昨年度と同様すべて平常値であり、人工放射性物質の環境への新たな放出はなかったことが確認された。本年度も上水の原水(淀川河川水)から医学利用によると思われるヨウ素131 を検出したが、その濃度は0.76mBq/L と非常に低く、府民への健康影響には問題とならないレベルであった。
また、測定値の信頼性確保のため実施された(財)日本分析センターとのクロスチェックの結果、ガンマ線核種分析の精度は確保されていた。