抄録
インドネシア・フローレス鳥中部で重力調査がおこなわれ,総測点数は800点に達した.イネリエ火 山,イネリカ火山,マタロコ地熱地帯など火山や地熱活動の活発な調査地域南部は,高重力異常となって基盤の盛り上がりを示した.基盤構造が盛り上がっている構造は,通常の火山でも多数観測されている.但し,マタロコ地熱地帯はやや基盤が深くカルデラ状の構造が想定できる.また,イネリエ火山の表層密度は,1.7g/cm3程度と解析され異常に小さい.山体自体が固結した溶岩の比率が小さいことが考えられるが,重力の鉛直勾配が局所的に1割程度大きくなっていれば,通常の火山の表層密度である 2.2 g/cm3程度の結果を得ることになる.現時点までの経験では,後者のケースは稀である.調査地中部のウェラスカルデラについては北側だけが確認できる馬蹄形で,南側のカルデラ壁は不鮮明である.原因としては,後に生じたメンゲルーダより西方に伸びる地溝構造に関連する造構運動により消滅したと考えられる.