抄録
1999年10月,「遠隔離島小規模地熱の探査に関する研究協力(ESSEI)」の一環として,インドネシア火山調査所(VSI)によってフローレス島ンガダ郡のマタロコ地熱地帯で浅部調査井MTL-1が掘削された. 掘削予定深度は250mであったが,103.23mまで掘削した時点で突発的な蒸気噴出に遭遇した.坑井をシャットダウンした状態で坑口圧は3bar,地表での蒸気温度は115°Cであった. 蒸気はマタロコ地熱貯留層の深部で生産され,坑井近傍のワエ・ルジャ破砕帯を通って地表に漏れ出ていたものである. 地下地質は,安山岩質凝灰岩,輝石安山岩,安山岩質凝灰角礫岩および安山岩からなり,中温(120 -190 °C)熱水による変質を受けて2-15 %の膨潤土を含む変質粘土となっている. (要旨翻訳: 安川香澄・水垣桂子(地圏資源環境研究部門))