抄録
過ヨウ素酸はアルカリ水溶液でCu3+とdiperiodatocuprate(III)を形成するが,この溶液は強い黄褐色を呈することが知られている.Feiglらはこの反応を銅のspot testに応用したが定量を目的として研究された例はない.,著者らはこの水溶液の吸収スペクトルを測定して吸収極大が415mμにあることを認め,吸光光度法による銅の定量方法として利用する目的でやや詳細に検討した.その結果妨害イオンの影響はいくぶん多いが,安定な発色が容易にえられ,微量銅の定量が可能であることを認めたので報告する.