抄録
本研究では,新タイプ抑うつの素因とされる対人過敏傾向(IS)・自己優先志向(PS)は,対人苦手意識に
正の影響を与えており,この影響の一部はサーバント・リーダーシップ(SLS)によって媒介されるという
仮説を,相関分析と媒介分析を用いて検証した。この仮説を検証するため,従業員 300 名以上の会社に勤め
る管理職社員男女各100 名(平均年齢49.32 歳,SD = 7.33 歳:範囲28-59 歳)を対象に,インターネットを用
いて質問紙調査を行った。その結果,女性管理職社員においては,IS とPSの合計点は,SLS得点との間に
有意な相関がなく,上記の仮説を検証できなかった。一方,男性管理職社員では,相関分析と媒介分析の結
果,IS とPSの合計点,SLS得点,対人苦手意識得点との間に仮説通りの結果が得られた。仮説が男性管理
職社員には当てはまり,女性管理職社員には当てはまらなかったことについて考察された。