本論文では,まず冬期間の外気温・風速と,寒冷地の温室の気温,ボイラー吹き出し温度を実測して温室の熱消費の実態を把握し,日最大暖房負荷・日暖房負荷には,外気温と同様に風速が影響することを明らかにした。次に,重回帰解析により求めた回帰式を用いて,日平均気温・風速・日照時間から日暖房負荷,年間暖房負荷を求めた。寒冷地の温室のCO2排出量原単位は,北海道の戸建て・集合住宅の約2倍に近く,温室の全国平均より30%高かった。これは,寒冷地の温室で消費される化石燃料を,環境インパクトが小さい木質バイオマスなどの再生可能エネルギーに置き換えることの有用性を示唆している。