フィリピン, 特に遠方の地方沿岸・島嶼地域において,観光は重要な収入源である。しかし, 必要なインフラ整備を超えて観光客が劇的に増大すれば, 環境を劣化させ持続性を損なう。中央政府,自治体,業界は持続可能な観光の推進に向け, 行動規範を定め,観光客の安全のみならず, 環境保全を目指しているが,持続可能な観光に付随するリスクは多面的かつ多様なレベルに及ぶもので, そのリスクの回避には地域のステークホルダーの対処能力を超えるものもある。コロン・持続可能な観光憲章は有用な政策・制度的枠組みを提供する。観光業界による遵守を監視, 履行確保, 強制措置などについて, 業界の積極的な関与を得て参加型アプローチで発展させ, 実施を図っていくことが求められている。