本研究は建築及び築山,水面の配置の観点から長春園の中の21 か所の庭園を3 種類に分け,更に庭園の機能と結びつけ,庭園空間の特徴を機能別に明らかにする。遊覧観賞機能を持つ庭園の中心には大規模な建築が建てられており,建築と庭園は同じ軸により構成されている。居住機能を持つ庭園は秩序的に並ぶ形式と自由に分散する形式の2種類に分けられる。政治,宗教の機能を持つ庭園は山に囲繞され,かつ中庭となっており外界からは独立している。そして,遊覧観賞機能の庭園は西洋庭園の影響が大きく見受けられる。宗教,居住機能を持つ庭園は全体的に中国の造園様式に則っており,一部は西洋式の造園様式を参考としている。