茨城県つくば市のロードキル(RK)を通報した市民と,RK を記録した道路維持委託業者が,轢死した哺乳動物種を正しく特定したかを調査した。我々は,1,601 の哺乳類のRK 記録を入手し,通報した市民および野生動物の非専門家である委託業者による種の同定結果を,専門家による同定結果と比較した。結果として,市民による種同定に対し,委託業者が判断を下すことで,種同定の信頼性向上には大きく寄与している一方で,希少種や特定外来生物の出現の多くが記録されない結果となった。現状は道路維持管理のみを目的としたシステムだが,教育プログラム等によって信頼性の向上を図ることで自然環境保全への活用は十分可能と考える。