抄録
日本では自動車産業が製造品出荷額の約20%を占める主力産業であり,年間20兆円規模の化石燃料の輸入とCO2排出を恒常化させている。2030年NDCの実現可能性を議論するには,乗用車の電動化,再生可能エネルギー発電シェアの拡大,化石燃料消費量の抑制などを,統一的な枠組みで把握する必要がある。本研究では,「IONGES 2030年想定表」を土台とし,車種別登録統計と発電シェアの実績値から延長推計を図り,新たに2015年~2030年表を再構築して,パリ協定NDCの遵守可能性を検討する。また,輸入に伴う経済波及効果の欠損分とCO2排出を国外へ転嫁できる分を結びつける指標を提案し,わが国の産業構造に適する今後の緩和策のあり方について考察を行う。