抄録
仕上塗材がコンクリートの中性化を抑制することはよく知られているが、紫外線や風雨などによって仕上塗材に含まれている高分子が劣化すると中性化抑制効果が低下する。本研究では、仕上塗材およびコンクリート中を二酸化炭素が擬似定常拡散に従って移動し、中性化が進行するモデルの解析に基づいて、仕上塗材の拡散係数が時間の経過とともに増大し、中性化抵抗が低下していく場合のコンクリートの中性化進行を解析し、その予測式を提案した。また、過去に実施した仕上塗材の劣化にともなう拡散係数の増大および中性化抵抗の低下の実験例を用いて、仕上塗材が劣化していく場合の中性化進行をシミュレートした。