抄録
近年竣工時の簡便な非破壊品質評価法として注目されながらも、測定結果に対するコンクリートの含水依存性といった実用上の課題が指摘される表層透気試験についてその解決策を検討した。気温20℃、相対湿度60%などの雰囲気に曝露した水セメント比や脱型材齢等が異なる15種類のコンクリート供試体を対象に、材齢約1年までの表層透気係数の推移を把握し、乾燥の進展により長期にわたって測定結果が増大する、すなわち見かけ上品質が悪化するよう評価されてしまうことを確かめた。この問題は検査において危険側の判定につながる可能性があり、その解決法の一つとして乾燥に伴う電気抵抗率と表層透気係数の変化に着目した評価法を検討した。