2016 年 70 巻 1 号 p. 91-97
CaO・2Al2O3構造を持つCaO・(2-n)Al2O3・nFe2O3連続固溶体化合物(CA2-nFn)について、ハイドロカルマイトの生成を想定して水酸化カルシウムと組み合わせた時の水和挙動に与えるFe2O3固溶量の影響を調べた。その結果、CA2-nFnはCaO・2Al2O3に比べて水和初期の反応率が高いこと、また、その水和生成物として初期にハイドロガーネットを生成した後にハイドロカルマイトが生成することがわかった。ハイドロカルマイトの生成量はFe2O3固溶量と負の相関にある。Fe2O3はハイドロカルマイトやハイドロガーネットに取り込まれることなく未反応粒子に残存するか、もしくはCA2-nFnからCa2+イオンとAl3+イオンが溶脱して生成するCaO-Al2O3-Fe2O3-H2O系ゲル状水和物中に含まれるものと推察された。