本研究では、飛翔体が高速衝突した場合にコンクリートに生じるミクロな変化を把握することを目的として、セメントペーストを対象とした高速衝突試験を実施した。検討の結果、衝突部分より深い領域が白く変化することが確認された。420m/sでの衝突時にはプラズマの発生を確認した。衝突により白く変化した部分では、そうでない部分と比較して空隙構造が粗大になっていることを確認した。一方で熱分析やX線分析の結果、両者には大きな違いが見られなかった。原因として、飛翔体が衝突した際に生じたごく短時間の熱による体積変化や、セメントペースト中の水分が瞬時に蒸発し、乾燥が生じたことに起因する可能性を指摘した。