アルミン酸カルシウムを主成分とするアルミナセメントは、ポルトランドセメントに比べて早強性、耐火性、そして化学抵抗性に優れている。一方で養生温度により水和物のコンバージョンが起こり強度低下することが指摘されている。本研究では材齢50年が経過したアルミナセメントコンクリートのブロックからコア供試体を採取して、その特性を調査した。アルミナセメント単味のコンクリートとフライアッシュを混和したコンクリートを比較すると、後者のほうが経時による強度低下が抑えられていた。フライアッシュを混和することで安定なストラトリンジャイトが生成し、コンバージョンが抑制されたものと考えられる。