セメント・コンクリート論文集
Online ISSN : 2187-3313
Print ISSN : 0916-3182
ISSN-L : 0916-3182
耐久性
深海1890mで硬化させたポルトランドセメント系被覆材に生じた生成物
秋藤 哲小林 真理高橋 恵輔木村 俊則
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 75 巻 1 号 p. 247-254

詳細
抄録

日本近海の深海底に鉱物資源が多量に賦存することが確認され、深海底での資源開発の機運が高まっている。一方で持続可能な開発目標SDGsの達成に向け、海洋生態系に配慮した資源開発が求められる。筆者らは海底資源開発に伴う環境擾乱の抑制にセメント系材料を利用する技術の開発を進めており、その第一歩として、水深1890mの深海底でポルトランドセメント系被覆材の打込み試験を実施した。217日後に回収した試験体を分析した結果、深海底で硬化した試験体は、予め硬化させた試験体を用いた既往の海洋劣化に関する報告と比較して、著しいカルシウムの溶脱が生じたことに加え、海底堆積物との反応による炭酸塩鉱物の生成が示唆された。

著者関連情報
© 一般社団法人セメント協会
前の記事 次の記事
feedback
Top