小耳症・外耳道閉鎖に対して形態と機能の再建を両立させることを目的として、われわれは耳介形成術と外耳道形成術を形成外科・耳鼻咽喉科の同時共同手術として行うことに取り組んできた。
小耳症に対する耳介形成術は、患者が10歳になるまで待機した上で、第1期手術として肋軟骨移植術を、半年経過後に第2期手術として耳介拳上術を行う二段階手術法が一般的である。この第2期手術において、適応のある患者については耳介拳上術とともに外耳道形成術を同時共同手術として施行する。
1999年から2015年までに17年間に200例の同時共同手術を施行した。うち片側例は133、両側例は37例67件であった。術前後の聴力改善に関しては約60%の症例で15dB以上の改善がみられるが、正常聴力レベルに達するには補聴器の使用が必要であった。合併症として5例に顔面神経麻痺が見られたがうち4例は保存的に治癒した。術式の詳細について解説する。