抄録
被覆内の光環境を調査したところ,黒色化繊被覆内の透過光は太陽光に近いスペクトルを示し,紫外域光を透過しにくいよしずやわらで構成された本ず被覆内の透過光には紫外域光がほとんど含まれていなかった。次に,紫外線の照射や除去が茶新芽の葉厚と品質関連成分に及ぼす影響を調査したところ,紫外線を除去することにより葉が薄くなり,遊離アミノ酸やMMSC,カフェインの含有量が増加することを確認した。以上の結果から,被覆茶の品質は紫外域光の多寡に左右され,被覆内の透過光に紫外域光をほとんど含まないことが,本ず被覆茶の品質の高さに寄与していると推察された。