茶業研究報告
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茶葉収量の修正に關する考察
特に茶葉熟度の影響
鳥井 秀一
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1954 年 1954 巻 4 号 p. 15-23

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抄録

1.茶葉の収量は摘採日の優かの違いによつても大いに変動があるので,これを修正しなければ正しい収量を表わすことができない。
2.たまみどり品種園で,枠摘みによるサンプリングの一様性の検定を行つたデータから,茶葉の収量には茶芽の出開度と芽数が密接な関係を有することを知つた。
3.そこで出開度と芽数による修正(それらの平均と摘採適期における)を乾物収量と生鮮収量について計算し,同時にこれら修正の効果を試料の分散或は変異係数の減少より検討した。
4.収量の修正は出開度或は芽数による単回帰よりも,両者の重回帰による修正の方が効果が大きい。修正による変異係数の減少は次表の如くである。
これによると,この調査では単回帰の場合は芽数による修正の方が出開度による修正よりもやや有効のようである。レかし試験の性質や条件が変ると,芽数による修正が効かなくなつたり,または修正しない方がよかつたり,或は芽重などの他の因子の修正が必要となつたりする場合が予想せられるが,いかなる場合でも出開度による修正を省いてよい場合は考えられない。
5.摘採適期の収量の推定値と信頼限界を求め,これをこの場合の試料の最も合理的な収量値とした。

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