茶業研究報告
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(+)―カテキン配糖体の化学合成と酵素阻害活性
流石 啓司神谷 真太郎中川 致之
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2000 年 2000 巻 89 号 p. 29-36

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抄録
(1)カテキン類の機能性や生理活性の向上が見られるかどうか検討するために,(+)-カテキンの配糖体の化学合成を実施した。
その結果(+)-カテキンをアグリコンとし,グルコース,マンノース,キシロース,ガラクトース,マルトースを糖とする3-O-β-配糖体の合成に成功した。(マンノースの場合はα-配糖体)
(2)合成方法に関しては過塩素酸銀,トリフルオロメタンスルホン酸銀を縮合剤として使用することにより,合成法の簡略化と収率の向上が図られた。
(3)合成した配糖体について,幾つかの酵素阻害活性を検討したところ,チロシナーゼ,β-ガラクトシダーゼに対する阻害活性が増強されることが明らかとなった。その一方で,キサンチンオキシダーゼ阻害活性はあまり変わらず,ピアルロニダーゼ,ペルオキシダーゼ阻害活性については配糖化により逆に低下することが明らかとなった。
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