抄録
二番茶の摘採日を早,中,晩期と3区に分けた茶園に対して,秋季に層別刈取りを実施して樹冠の群落構造を調査した。その結果,樹冠は3区とも前年の秋整枝位置辺りから上方に向けて形成されていた。樹冠における枝の重量は二番茶摘採位置から4cm下までの層で,葉の重量やLAIは二番茶摘採位置から6cm上までの層で,頂芽数は二番茶摘採位置の2cm下から4cm.上までの層で,側芽数は二番茶摘採位置の4cm下から2cm上までの6cm幅で多かった。また,以上に示した形質は,二番茶摘採時期が遅いほど,それらの層に集中する傾向であった。3区について,秋整枝位置の影響をシミュレーションした結果,二番茶摘採時期が遅いほど,秋整枝後の茶株面下に葉層を十分に蓄え,かつ,茶株面に多数の茶芽を確保できることが明らかになった。