日本化学療法学会雑誌
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Pazufloxacinの体内動態に及ぼす制酸剤・消化性潰瘍剤の影響
柴 孝也吉田 正樹前澤 浩美酒井 紀
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キーワード: PZFX, 吸収, 制酸剤, 消化性潰瘍剤
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1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 220-225

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抄録
Paznfloxacin (PZFX) の胃腸管吸収に及ぼす制酸剤 (乾燥水酸化アルミニウムゲル) および消化性潰瘍剤 (ヒスケミンH2拮抗剤: シメチジン) の影響を, 6名の健常成人男子志願者において検討した。PZFX200mgを空腹時に単独服用した際の最高血中濃度は4.28μg/ml, 最高血中濃度到達時間は0.88時間, 血中消失半減期は2.15時間, 血中濃度曲線下面積は8.85μg・h/ml, 24時間までの尿中回収率は87.2%であり, 制酸剤1.0g同時直用時では各中1.77μg/ml, 1.17時間, 1.98時間, 6.24μg・h/ml, 69.7%, シメチジン200mg併用時では各々2.75μg/ml, 0.76時間, 2.00時間, 8.93μg・h/ml, 84.8%であった。制酸剤併用時においてPZFX1吸収阻害が認められたが, その程度は, 最高血中濃度で58.6%, 血中濃度曲線下面積で29.5%の低下がみられ, 既存のキノロン系抗菌薬と比較して軽度であった。またシメチジン併用時における吸収阻害は最高血中濃度で35.7%の低下がみられたが血中濃度曲線下面績では認められなかつた。
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