抄録
1995年, 見島に飼育されていた雌牛頭数は89頭で, これらは6つの母系に分類された. 6系統のうち5系統から各2頭ずつ選び, ミトコンドリアDNAのD-loop領域における塩基配列を調べた結果, その変異から見島牛母系は2つのハプロタイプに分類された. すなわち, よしまき系, かめきち系, たかただ系の3系統はM1に, みまつ系, しらうめ系の2系統はM2に分類された. このように見島牛母系5系統は2つの遺伝子型に集約され, 遺伝的多様性はきわめて小さいことが明らかになった. M2に分類された母系の遺伝子頻度は, 見島牛雌牛全体の14.6%を占めるに過ぎず, 早急の保護対策が必要であると思われる.