抄録
ビタミンAの制限が黒毛和種去勢牛の産肉性に及ぼす影響を検討するため, ビタミンA制限区と給与区を設けて開始月齢が10ヵ月齢 (10ヵ月齢試験) と15ヵ月齢 (15ヵ月齢試験) の肥育試験を行った. 10ヵ月齢試験の肥育期間は平均11ヵ月, 15ヵ月齢試験は平均17ヵ月であった. 肥育期間中の日増体重, 飼料摂取量には制限区と給与区で差がなかった. 制限区のロース芯面積, バラの厚さ, 歩留基準値は給与区より大きくなったが, 牛脂肪交雑基準 (BMS) ナンバーと牛肉色基準 (BCS) ナンバーにビタミンAの影響は認められなかった. 枝肉中の筋肉割合は制限区が給与区より有意に大きく, 脂肪割合は制限区が給与区より有意に小さかった. またビタミンAの制限がロース芯面積, 枝肉構成割合に及ぼす影響は, 10ヵ月齢試験より15ヵ月齢試験のほうがより明確であった. 牛成長ホルモン放出因子の負荷による血漿中成長ホルモンの反応は, 制限区の方が給与区より低い傾向を示した. 以上の結果よりビタミンAの制限は枝肉中の筋肉割合を増加させ脂肪割合を減少させる可能性があることが示唆された.