抄録
飼料作物から分離した乳酸菌株Lactobacillus plantarum FG1またはPediococcus acidilactici CA25とAcremonium属菌由来のアクレモニウムセルラーゼ (AUS) を供試し, 小規模発酵試験区とポリドラムサイロ試験区を設けて, 麦茶残渣サイレージの調製・貯蔵法および発酵品質を検討した. FG1とCA25菌株はともにホモ発酵型乳酸菌で乳酸生成能が優れていたが, 麦茶残渣中の可溶性炭水化物 (WSC) が少ないため, FG1またはCA25添加区では無処理区と同様, 良質なサイレージの発酵が出来なかった. 一方, 両試験区の乳酸菌とセルラーゼ併用添加サイレージではともにpH値が低く, 乳酸含量が高い良質なものが調製され, 長期に貯蔵できることが明らかになった. また, 無添加サイレージに比べてその粗タンパク質含量が高く, 細胞壁構成物質含量が有意に低下した.