2013 年 84 巻 1 号 p. 11-18
北海道の初産および2産の牛群検定記録を用い,泌乳ステージごとの日乳量に対する体細胞スコア(SCS)効果を推定する最適なモデルを検討した.SCS効果は分娩後60日以内(前期),61-150日(中期),151-240日(後期)および241-305日(末期)の各泌乳ステージにSCSをクラス化したモデル,およびSCSに対する1次-6次回帰を当てはめたモデルについて,産次別に単形質変量回帰アニマルモデルを使用して検討した.4次以上の回帰を当てはめたモデルの適合度が高かったが,SCSの高い範囲で推定精度が低下したため,クラス化したモデルによる推定が妥当と判断した.SCSの上昇に伴う日乳量の低下量は初産よりも2産のほうが大きく,さらに,泌乳ステージの進行に伴い増加した.日乳量に対するSCS効果の推定値は,初産および2産ともに前-中期,後期および末期で異なるため,それぞれ区分して当てはめることが望ましい.