抄録
浸漬液および浸漬時間の違いが日本短角種牛肉の理化学特性に及ぼす影響について検討を行った.4頭の日本短角種去勢牛の大腿二頭筋をパイナップル果汁(pH3.5),豊水果汁(pH4.4),イワテヤマナシ果汁(pH3.9),およびRO水(pH5.9)に0,24,48,および96時間浸漬させた.また,別の4頭の日本短角種去勢牛の大腿二頭筋をpH4.01標準緩衝液,pH6.86標準緩衝液,およびRO水(pH5.8)に0および24時間浸漬させた.浸漬後,ドリップロス,クッキングロス,色調値,および最大荷重を測定した.クッキングロスは,イワテヤマナシ果汁がRO水およびパイナップル果汁に比較して浸漬48時間まで有意に低かった.最大荷重は,パイナップル果汁が他の浸漬液に比較して浸漬96時間で有意に低くなったが,イワテヤマナシ果汁,RO水,および豊水果汁の間で有意な差は認められなかった.本研究の結果から,イワテヤマナシ果汁は保水性を少なくとも48時間保持することが示された.