日本畜産学会報
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一般論文(原著)
初産牛の一乳期および乳期別TMR給与法が産乳性,栄養,体重および収益に及ぼす影響
中村 正斗中島 恵一早坂 貴代史
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2015 年 86 巻 4 号 p. 465-472

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抄録

ホルスタイン種初産牛における,TMR(完全混合飼料)の乳期別2種飼養(2群区)に対する一乳期1種飼養(1群区)の有効性を検討するために,それらの産乳性,栄養,体重および収益を比較した.TMRはグラスサイレージ,配合飼料,大豆粕からなり,1群区は一乳期をTDN72%,CP18%で,2群区は泌乳前期を1群区と同一とし,泌乳後期をTDN69%,CP15%で,各区9頭に不断給飼した.2群区は1群区に比べ,泌乳後期の産乳量,乾物摂取量,TDNとCPの充足率が減少し,泌乳持続性および乾乳時の体重とボディコンディションスコアが有意に低かった.2群区は,305日間の平均増体重がRichards成長曲線に基づく標準増体重を下回り,栄養不足が観察された.1群区は2群区に比べ乳飼比は上がるが,乳代から飼料費を控除した305日間の収益差額は1頭当たり14千円増益と試算された.

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© 2015 公益社団法人 日本畜産学会
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