日本畜産学会報
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一般論文(原著)
黒毛和種繁殖牛の初乳中免疫グロブリン含量に及ぼす乾燥ニンジン給与の影響
谷口 紗耶王 蒙東池田 俊太郎吉岡 秀貢長瀬 祐士北村 祥子糸山 恵理奈村上 弘明小草 啓輔佐藤 健史杉本 実紀久米 新一
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2015 年 86 巻 4 号 p. 473-479

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抄録

牧草サイレージ主体で飼養した黒毛和種繁殖牛11頭を対照区および乾燥ニンジン区に割り当てて,乾燥ニンジン区では分娩予定日の3週間前から分娩日まで乾燥ニンジンを300g/日(β−カロテンとして138mg/日)給与し,繁殖牛の初乳と血漿中免疫グロブリン含量に及ぼす乾燥ニンジン給与の影響を調べた.乾燥ニンジン区および対照区の分娩直後の血漿β−カロテン含量は475および378μg/dLであったが,繁殖牛の血漿および初乳中β−カロテン含量には乾燥ニンジン給与による影響は認められなかった.繁殖牛の分娩直後の初乳および血漿中の免疫グロブリンG(IgG),免疫グロブリンA(IgA)および免疫グロブリンM(IgM)含量には乾燥ニンジン給与による影響は認められなかった.繁殖牛の血漿IgM含量と初乳IgM含量間に正の相関が認められ,初乳IgM含量と初乳IgG含量間,初乳IgM含量と初乳IgA含量間および初乳IgG含量と初乳IgA含量間にも正の相関が認められた.

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© 2015 公益社団法人 日本畜産学会
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