日本畜産学会報
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一般論文(原著)
食肉製品由来乳酸菌培養液を用いた浸漬処理による豚肉の物性と微生物への影響
竹田 志郎和賀 正洋坂田 亮一
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2018 年 89 巻 4 号 p. 451-458

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抄録

本研究では,生理活性を有する発酵食肉製品製造用スターターとして有用な乳酸菌株を使用し,それらの培養液浸漬による豚肉の物性と微生物への影響について調べた.豚肉を各供試乳酸菌株培養液に浸漬した結果,Lactobacillus sakei No. 23株(LS-23)培養液に浸漬した豚肉の最大荷重は,未処理および標準菌株培養液で浸漬した豚肉と比べ,有意に低値であった(P<0.05).またLS-23培養液に浸漬した豚肉はSDS-PAGEにおいて分子量100kDa以上のバンドの消失,著しいpHの低下,乳酸濃度の上昇が認められた.さらにLS-23培養液浸漬により,豚肉由来の黄色ブドウ球菌と低温細菌生菌数の減少が確認された.以上より豚肉をLS-23培養液に浸漬させることは,その最大荷重の低下による物性の向上,特に軟化効果と汚染菌の生菌数減少効果があると示唆され,食肉加工におけるマリネード液やバイオプリザベーションとしての応用が期待された.

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© 2018 公益社団法人 日本畜産学会
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