わが国におけるブタの閉鎖群育種は系統の作出を目的にしているため,「系統造成」とよばれている.系統造成は1969年にスタートし,これまでに100近い系統が作出されている.系統造成時の選抜法は1990年代までは相対希望改良量を達成するための選抜指数法,次いで制限付きBLUP法が用いられ,2000年代になると家系選抜指数から概算した改良目標形質の重み付け値を用いたBLUP法が用いられている.この間,系統造成の選抜法や近交回避に関する理論研究,系統造成から得られた実データに基づく遺伝的パラメーターの推定ほか多くの研究が行われてきた.また,雌性繁殖形質や体型,強健性など,系統造成スタート当初には含まれていなかった形質も改良目標となっている.本総説の最後に,系統造成がわが国のブタの育種改良に貢献した意義と系統造成に代わる新たな育種改良手法について論じた.