1965 年 36 巻 11 号 p. 474-478
肉色の淡い(pale),watery porkと思われる豚枝肉のロース部について,正常試料と対比しつつ,その筋肉のpH,保水力,ミオグロビン及びニコチン酸含量を測定するとともに,その水溶性蛋白質についてはcellulose phosphateを用いるカラムクロマトグラフィー,繊維状蛋白質についてはミオシンBのATPase活性の測定を行なつた.
その結果,同一荷口の同一部位の正常筋肉と比べてPale muscleでは,明らかにそのpH値,保水力並びにミオグロビン含量は低く,外観から肉色の淡い筋肉はいわゆるwatery porkに相当することが判つた.
ニコチン酸含量はPale muscleに著しく多く,またカラムクロマトグラムには著しい差異はみられなかつたが,ミオシンBのMg活性ATPase活性度はPalemuscleでは低かつた.