日本畜産学会報
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飼料用ビートの摂取量がウシ第一胃内揮発性脂肪酸の産生に及ぼす影響
和泉 康史
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1976 年 47 巻 1 号 p. 33-38

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抄録
第一胃フィステルを装着したホルスタイン種の成雌牛4頭を用い,飼料用ビートの摂取量(1日当たり0,15,30,45kg)が第一胃内揮発性脂肪酸(VFA)の産生ならびに第一胃内性状に及ぼす影響を検討した.基礎飼料として全牛に1日4kgの乾草を給与した.その結果は次のとおりである.摂取量の増加により,第一胃内アンモニア態窒素濃度,VFA濃度およびVFA組成において酪酸,n-バレリアン酸が直線的に増加した.一方,酢酸およびiso-バレリァン酸において,摂取量の増加により,直線的な低下が認められたが,プロピオン酸には摂取量による特定の傾向は認められなかった.本試験において得られたこれらの変化は,乾草あるいはサイレージの摂取量を増加した場合においても認められている変化と類似しており,飼料用ビートを45kgまで増給しても第一胃内VFAあるいは第一胃内性状に,とくに異状な変化はなかったものと推察された.
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