日本畜産学会報
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47 巻, 1 号
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  • 黒崎 順二
    1976 年 47 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1976/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
  • 山本 敏男, 楠原 征治, 石田 一夫, 山口 本治
    1976 年 47 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 1976/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    単冠白色レグホン(♂)の肉冠真皮第2層の線維芽細胞について微細構造を観察し周皮細胞と比較した.線維芽細胞は紡錘状または星状を呈しており,著しく伸長した細胞質突起をもっていた.細胞表面は不規則で,細胞膜の不明瞭な部位が多かった.細胞質全域にわたって多量のフィラメントが存在しているが,粗面小胞体の腔内にはみられなかった.粗面小胞体はよく発達しており,腔が著しく拡大していた.腔内には電子密度中等度の均一な物質が充満していた.ゴルジ複合体やミトコンドリアも良く発達していた.細胞表面の一部にコーテッド•ベシクルがみられ,細胞質いたるところに大小さまざまな小胞が認められた.周皮細胞は血管周囲に数個集合して存在していた.この細胞は線維芽細胞より小型で,細胞質突起もそれほど伸長していなかった.細胞表面は不規則ではあるが,細胞膜の不明瞭な部位は少なかった.フィラメントはきわめて少なかった.粗面小胞体およびゴルジ複合体は発達が悪いが,ミトコンドリアは比較的よく発達していた.細胞表面の一部に微絨毛状の細胞質突起や大きな液胞がみられた,これらの付近に電子密度の高いライソゾーム様の顆粒がまれに出現した.線維細胞と周皮細胞の類似性から,周皮細胞から線維芽細胞への移行が推察された.
  • 山内 邦男, 姜 國煕, 上野川 修一
    1976 年 47 巻 1 号 p. 12-17
    発行日: 1976/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ナチュラルチーズ中に広く分布している酵母Debaryomyces hanseniiのチーズ熟成におよぼす影響を調べる基礎的実験として,脱脂乳を用い,この酵母とチーズスタータとして用いられている乳酸菌Streptococcus lactisおよびStreptococcus cremorisとの蛋白分解における相互作用を検討した.乳酸菌1菌株を25°Cで単独培養した場合,Str.cremorisは10日目,Str.lactisは20日でほとんど死滅した.乳酸菌2菌株を混合培養した場合は20日目で死滅した.しかし,酵母と乳酸菌を混合培養した場合の乳酸菌は30日目まで3×108/ml生存した.Str.lactisStr.cremorisを25°Cで単独培しあるいは混合培養した場合,両者間に蛋白分解力の差は認められなかった.しかし,酵母と乳酸菌を混合培養した場合は単独培養より20日目から2%トリクロル酢酸可溶性窒素化合物,ニンヒドリン陽性低分子ペプチドが著しく増加した.ポリアクリルアミドゲル電気泳動のパターンによるとStr.lactisStr.cremorisは30日目ではαS1-力ぜインが若干分解されているようであり,酵母と混合培養した場合はαS1-およびβ-カゼインを早く分解した.
  • 姜 國煕, 上野川 修一, 山内 邦男
    1976 年 47 巻 1 号 p. 18-22
    発行日: 1976/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    ナチュラルチーズ中に含まれている酵母の役割を検討するため,各種チーズに最も広く分布しているDebaryomyces hanseniiを用いて,チーズを製造し,熟成中におけるこの酵母の乳酸菌スターターの生育におよぼす影響,チーズの酸度の変動におよぼす影響,チーズの蛋白分解におよぼす影響等を調べた.スターターの乳酸菌は酵母を添加した場合,酵母無添加のチーズより生菌数が高いレべルに維持された.酵母添加チーズの酸度は酵母無添加チーズのそれより半減した.熟成20日目のチーズの熟成率は酵母を添加した場合の方が酵母無添加の場合より約3倍増加した.
  • 宮本 元, 石橋 武彦
    1976 年 47 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1976/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    凍害保護物質,冷却速度および融解速度などの要因が,凍結融解されたマウスの8細胞卵と桑実胚の生存性におよぼす影響について検討し,つぎの成績をえた.1. ブドウ糖,ショ糖およびPolyvinylpyrrolidoneは凍結マウス胚の生存性維持に効果がなく,グリセリンおよびdimethylsulfoxide(DMSO)は有効であった.とくに1.2MのDMSOの存在下でもっとも高い生存率がえられた.2. マウス胚は0.2~0.5°C/分の速度で冷却されたときに良好な生存性がえられ,2および10°C/分で冷却されると生存できなかった.3. マウス胚は,2および15°C/分で融解されると生存性を維持できるが,180°C/分で融解されると死滅した.4.40~45週令の雌マウスから採取された胚は,8~10週令のものと凍結•融解後に同じ程度の生存性を維持できた.この場合,自然排卵卵子と過排卵卵子の間には,生存率に差はなかった.5.凍結•融解後におけるマウスの8細胞卵および桑実胚の生存性に差はみられなかった.6.凍結•融解された8細胞卵を胚盤胞まで培養し,それらを5匹の宿主の子宮に8個ずつ移植すると,そのうち2匹が妊娠した.妊娠18日目の検査において,それぞれ3匹と4匹の正常な胎児がえられた.
  • 宮本 元, 石橋 武彦
    1976 年 47 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 1976/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    凍結過程の各温度からマウス胚を液体窒素へ直接浸潰したときの急冷,および種々の温度での凍結保存がマウスの8細胞卵,桑実胚,初期胚盤胞の生存性におよぼす影響について検討してつぎの結果をえた.1. サンプルを-10~-40°Cの各温度から液体窒素へ浸漬して,500°C/分で急冷すると胚は死滅した.しかし-50~-79°Cの各温度から液体窒素へ浸漬すると,8細胞卵,桑実胚および初期胚盤胞のいずれも生存性を維持できた.-50, -60, -70および-79°Cのうちどの温度から液体窒素へ浸潰しても,急冷後の胚の生存性に差はみられなかった.2. -196°Cに凍結された8細胞卵を-20, -25および-50°Cのアルコールバスに移してこれらの温度に保存すると,胚はそれぞれ2,4および15時間後に死滅した.3. 緩慢な冷却速度で凍結された8細胞卵,桑実胚および初期胚盤胞は-196°Cに21か月間の凍結保存後も凍結直後と同じ生存性を維持することができた,4. -60°Cまでを緩慢冷却し,-60°Cから液体窒素へ浸漬して急冷された8細胞卵は-196°Cで12か月間の保存後も生存性の低下はみられなかった.
  • 和泉 康史
    1976 年 47 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 1976/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    第一胃フィステルを装着したホルスタイン種の成雌牛4頭を用い,飼料用ビートの摂取量(1日当たり0,15,30,45kg)が第一胃内揮発性脂肪酸(VFA)の産生ならびに第一胃内性状に及ぼす影響を検討した.基礎飼料として全牛に1日4kgの乾草を給与した.その結果は次のとおりである.摂取量の増加により,第一胃内アンモニア態窒素濃度,VFA濃度およびVFA組成において酪酸,n-バレリアン酸が直線的に増加した.一方,酢酸およびiso-バレリァン酸において,摂取量の増加により,直線的な低下が認められたが,プロピオン酸には摂取量による特定の傾向は認められなかった.本試験において得られたこれらの変化は,乾草あるいはサイレージの摂取量を増加した場合においても認められている変化と類似しており,飼料用ビートを45kgまで増給しても第一胃内VFAあるいは第一胃内性状に,とくに異状な変化はなかったものと推察された.
  • 内藤 元男, 畠山 章一, 武田 裕, 一條 幹夫, 野沢 日出夫
    1976 年 47 巻 1 号 p. 39-49
    発行日: 1976/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    1974年公表された日本飼養標準によって飼料粗効率指数を再検討した.採食量を測定し算出した東大牧場でのホルスタイン種牛群の3産平均記録からのエネルギー粗効率(GEE)との相関が高いことならびに誤差率が低いことからFCM/A[=FCM×100/2(7W+FCM)]が指数として適することをまず確かめた.
    ついで小岩井農場ホルスタイン種牛群の1951~1973年にわたる201頭の3産平均記録を用い,体重(W),体高(H),305日2回搾乳総乳量(M),平均乳脂率(F),FCM量,FCM/W,FCM/Aを求めこれらの遺伝母数を算出した.主な成績を要約すると次のごとくである.(1)総平均での主な形質値は,W600kg, H140.9cm, M5611kg, 3.47%,FCM5172kg,FCM/W8.7,FCM/A27.8%であった.(2)1964年から65年の間に体格に差はないが,乳量,乳脂率,とくに効率指数が上昇しており,その前後はほぼ平衡状態であった.この上昇は主に種雄によると思われる.(3)半姉妹間の表型似通いの程度と母娘相関および回帰から各形質の遺伝率を推定したが,遺伝率は3産平均を用いたためかなり高く,例えばF,FCMは共に0.7,FCM/W, FCM/Aは共に0.6であった.(4)体格,FCM,効率指数間の表型,遺伝両相関を求めたが,両係数はかなり近似しており,体重:FCMおよび体高:FCMの両係数ともいずれも0に近く,FCM:効率指数は両相関それぞれ0.9,0.8,FCM/A:Wはそれぞれ-0.35,-0.5,FCM/A:Hはそれぞれ-0.2,-0.3であったがFCMを一定とした偏相関では,それぞれ両相関とも-0.8,-0.6となり,体格の小さい方が効率が一般に高いことになる.しかし効率指数の30%(M+Sに当る)以上の高いものを選ぶとその平均でFCM6533kg,体重583kgで中型め小のものであった.
  • Keiichi TANAKA, Kakichi SHIGENO
    1976 年 47 巻 1 号 p. 50-53
    発行日: 1976/01/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    The ability of the micro-organisms present in the rumen to hydrogenate C18-unsaturated fatty acids is now well documented and has been the subject of several recent reviews1, 2, 3). Furthermore, it has been shown by WARD et al.4) that an important intermediate in the hydrogenation of C18-unsaturated fatty acids in the rumen is C18:1 trans-11 isomer. This isomer is characteristically found in the tissues of ruminant animals2). In particular, it has been shown that, when dairy cows are given a diet containing a high proportion of C18-unsaturated fatty acids which are readily accessible to the rumen micro-organisms, the concentration of this trans-11 monoene undergoes a significant increase in both the tissues5, 6) and milk fat7, 8, 9).
    In the present investigation, a study has been made of the effects of different concentrations of substrate on the biohydrogenation of linoleic acid by rumen micro-organisms in vitro, and analyses have been made of the isomers produced as intermediates in the biohydrogenation process.
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