日本畜産学会報
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豚糞の活性汚泥処理条件と汚泥中のビタミンB12含量との関係
柿市 徳英橋口 明彦鎌田 信一伊藤 整山野 秀二内田 和夫
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1987 年 58 巻 12 号 p. 1059-1066

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抄録

ビタミンB12は多くの植物性プランクトンの増殖因子であることから湖沼等の富栄養化の一因子とされている.そこで, 活性汚泥中のビタミンB12含量を抑制するために, その処理条件と汚泥中のビタミンB12含量との関係を調査した。ビタミンB12の測定はE.coli215株を用いる微生物学的定量法によった.
その結果, 滞留時間が長いほどビタミンB12含量は低かった.汚泥中のビタミンB12含量はSVI値の増加に伴って増加し, それらの間に高い相関 (r=0.849) が得られた.また, ビタミンB12含量とBOD-SS負荷との間にも高い相関 (r=0.843) が認められ, さらに, ビタミンB12含量と処理水のTOCとに相関 (r=0.781) があった.
以上より, 活性汚泥中のビタミンB12濃度を抑制するには滞留時間を長く, BOD-SS負荷を小さくするとともに処理水質を良好にするように運転すべきことが明らかとなった.

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