日本畜産学会報
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北海道のホルスタイン集団における泌乳量に対する分娩月齢および分娩月補正の再検討
萩谷 功一鈴木 三義山口 由紀河原 孝吉ファン アントニオペレイラ
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2000 年 71 巻 7 号 p. 12-18

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抄録

乳量,乳脂量および無脂固形分量に対する分娩月齢と分娩月の影響およびこれらの年代による変化について,アニマルモデルを用いた統計分析により検討した.泌乳記録は,社団法人北海道酪農検定検査協会で1975年から1995年までの21年間に集積された1,276,385頭の雌牛からの3,746,981記録である.年代による変化の検討は,個体の誕生年を1973年から1977年,1978年から1982年および1983年以降のグループに区分し,その差を比較することによって行った.分析で採用した線形モデルは,母数効果として牛群•年次,分娩月•年齢•年代,そして分娩月齢•年代の相互作用を含み,変量効果として個体の育種価,恒久的環境および誤差を含めた.分娩月別に分娩月齢効果の推定値に対して分娩月齢を多項式モデルにより適応したとき,各形質の推定値の部分的な変動が平滑化された.年代による分娩月の影響を比較すると,1983年以降に対する推定値において夏季と冬季の差異が減少した.また,月齢に対する生産量の推移は,年代の違いによる変化が認められたことから,分娩月齢の補正を行う場合,年代による変化を考慮する必要性が示唆された.

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