理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: CP222
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運動学
下肢荷重量の漸増および漸減が下腿筋活動に及ぼす影響
*太場岡 英利越智 亮高田 祐森岡 周宮本 省三
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抄録
【はじめに】 我々は前回の本学会において重量の漸増および漸減的負荷に対する上腕二頭筋と腕橈骨筋の筋活動様相を表面筋電計を用いて明らかにした. 今回の研究目的は,主要姿勢筋である腓腹筋とヒラメ筋における下肢荷重量の漸増および漸減的負荷時の筋活動様相を明らかにすることである.【方法】 健常女性6名(22歳から28歳)の1)腓腹筋内側頭,2)外側頭および3)ヒラメ筋を被験筋とした. 被験者は閉眼にて,テコの原理をもとに考案した特殊な実験装置(森岡,1998)上に10cm開脚立位をとり,足底から負荷された.荷重量の漸増は実験装置上に設置された容器に水道蛇口から水を注入,漸減は電動式ポンプを用い放出する方法を用いた.なお,注入あるいは放出開始から25秒で水が満水ならびに放水されるよう設定した.なお,容器内に水が満たされた時点の重量は6kgである. 筋活動の導出にはMEGA社製ME3000Pを用い,両筋の課題開始時から終了時までの1秒毎の積分値(以下IEMG)を求め,荷重量との相関をみると共に,両筋の筋活動様相を継続的に比較した.なお,IEMGは1秒間の最大随意収縮量を100%とし正規化(%IEMG)した.また,運動力学的側面から,荷重量変化に伴う力(以下F)を求め重量との相関をみた.Fも各被験者の体重で除し,正規化(N/kg)した.なお,相関分析には,ピアソンの相関係数算出によって処理した.【結果】 荷重量漸増時の%IEMGとFとの間には,腓腹筋内側頭r=0.78(p<0.01),腓腹筋外側頭r=0.95(p<0.01),ヒラメ筋r=0.75(p<0.01)で,すべての筋において有意な正の相関が認められた. 荷重量漸減時の%IEMGとFとの間には,腓腹筋内側頭r=-0.55(p<0.01),ヒラメ筋r=-0.67(p<0.01)で有意な負の相関が認められたが,腓腹筋外側頭においては相関は認められなかった.【考察】 本結果によって,荷重量の漸増および漸減に対して下腿筋の積分値が相関的に増加または減少することが明らかになった.これは,前回の上肢に対する重量負荷における上腕二頭筋と腕橈骨筋の相関的な増加・減少と同様な結果となった.したがって,下肢筋においても荷重量変化に対応した下腿筋活動の増減が,筋感覚の求心性情報をもとに力量調節されている可能性が高いと考えられた.
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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