抄録
【目的】間質性肺炎患者に対する外来呼吸リハビリテーション(以下、外来呼吸リハ)の効果に関しての報告は少ない。今回は間質性肺炎患者を対象とし、COPD患者と同様の外来呼吸リハプログラムを施行した群(呼吸リハ実施群)と呼吸リハを実施しなかった群(対照群)の2群にわけ、前後評価により間質性肺炎患者に対する外来呼吸リハの有効性を検討した。【対象と方法】対象は当院外来通院中の間質性肺炎患者26例で、この内呼吸リハ実施群13例(平均年令67.2歳、%VC 63.8%、%FEV1 69.3%、3例はHOT施行中)と対照群13例(平均年令67.7歳、%VC 68.8%、%FEV1 76.3%、1例はHOT施行中)の 2群に分け検討した。呼吸リハ実施群は週2回、10週間の外来呼吸リハを施行し、対照群は特に何も行わず2群とも同じ期間において前後評価を行った。外来呼吸リハの方法はトレッドミルや自転車エルゴメーターを主とした運動療法を主軸とし、呼吸訓練、胸郭可動域訓練、上肢筋力訓練を行い、吸気筋トレーニング(Thresholdを使用しPImaxの30%で訓練)、呼吸筋ストレッチ体操(昭和大学、本間ら)を併用した。評価項目は動脈血液ガス分析、肺機能検査、呼吸困難(BDI)、呼吸筋力(PEmax、PImax)、6MD、ADL(千住ら)、健康関連QOL(HRQOL)に関してはSt. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ:京大胸部研、西村浩一訳)を用い前後で評価した。【結果及び考察】呼吸リハ実施群と対照群での2群間における前値の比較では年令、%VC、%FEV1、動脈血液ガス分析において有意差を認めなかった。対照群の前後期間での変化は、肺機能、BDI、6MD、呼吸筋力(PEmax)、ADL、SGRQにおいて有意差を認めなかった。呼吸リハ実施群では呼吸リハ前後で、BDIは6.5±0.4(平均値±標準誤差)→6.8±0.3と有意な変化は認めなかったが、6MDは368.4±33.9→409.4±27.0mと有意(p=0.0192)な改善を認めた。呼吸筋力はPImaxが71.2±9.7→81.6±10.0cmH2O(p=0.0019)とPEmaxが76.7±9.0→94.9±12.7cmH2O(p=0.0131)と有意な改善を認めた。SGRQ(Total score)は49.8±4.4→45.2±4.7と有意(p=0.0342)な改善を認めた。また、肺機能検査で%VCは63.8±3.8→66.9±4.1%と有意(p=0.0329)な改善を認めたが、%FEV1に有意な変化は認めなかった。また、呼吸リハ実施群と対照群の2群間において前後期間における変化量(平均値)を検討したところ、6MD:41.0m vs -14.0m(呼吸リハ実施群vs対照群) (p=0.0138)、SGRQ(Total score):-3.3 vs 3.1(p=0.0223)、%VC:2.6% vs -2.8%(p=0.0276)と2群間において前後期間で有意な変化量の差を認めた。呼吸リハ実施群は対照群と比較し6MD、SGRQ(Total score)、%VCにおいて有意な改善を認めたため、間質性肺炎患者に対しても外来呼吸リハは有効であると示唆された。