理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: EO407
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成人中枢神経疾患
Japan Stroke Scaleによる退院時移動能力の予後予測について
*金井 義則場工 美由紀宮脇 智
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抄録
【はじめに】脳卒中患者のリハビリテーションを行なう上で、発症後できる限り早期に予後予測を行なうことは、入院期間や退院先の決定を行なうためにも重要なことである。そこで、急性期の脳卒中患者の評価にJapan Stroke Scale(以下JSS)を用いて、退院時の移動能力が予測しうるかについて、その他の要因も併せて検討を行なったので報告する。【対象】多根総合病院(以下総合病院)に初回発作で入院した脳血管疾患の41例で、内訳は脳梗塞20例、脳出血21例で、右片麻痺20例、左片麻痺21例であった。平均年齢は63.4±11.4歳で、発症から入院までの平均日数は、1.36±0.79日であった。平均入院期間(多根脳神経リハビリテーション病院以下リハ病院、も含む)は74.1±54.6日であった。【方法】入院後24時間以内にベッドサイドで評価を行なったJSSのスコアと、総合病院またはリハ病院退院時の移動能力(屋外歩行群、屋内歩行群、車椅子群の3群に分類)との関係を検討した。また年齢、性別、診断名、麻痺側と退院時移動能力との関係、入院時JSSと退院時ADLとの関係も検討を行なった。退院時ADLはBarthel Index(以下BI)を用いた。統計的手法としては、退院時移動能力とJSS、年齢との関係には一元配置分散分析と多重比較にsheffeの検定を、性別、診断名、麻痺側との関係にはマン・ホイットニ検定を、JSSと退院時ADLとの関係にはスピアマンの順位相関係数を用いて分析を行なった。各検定の有意水準、危険率は5%未満とした。【結果】 JSSのスコアは屋外歩行群が3.35±4.72、屋内歩行群が8.78±3.22、車椅子群が13.2±2.83であり、屋外歩行群と屋内歩行群間(p<0.05)、屋外歩行群と車椅子群間(p<0.01)、に有意差が認められ、屋内歩行群と車椅子群間には有意差は認められなかった。年齢は、退院時移動能力の間に有意な差は認められなかった。また性別、脳梗塞と脳出血、右麻痺と左麻痺の間にも退院時移動能力に差は認められなかった。JSSと退院時ADLには有意な負の相関が認められた(rs=-0.62、p<0.01)。【考察】今回我々は、入院後24時間以内の脳卒中患者のJSSにより、退院時移動能力を予測可能かどうか又、退院時ADLを反映するかについて検討を行なった。その結果、JSSによって、ある程度の予測が可能であることが示唆された。なかでも屋外歩行群は、今回のデータが一つの指標になると考える。またJSSが良好な程、退院時ADL能力も高いことが示された。しかし今回のように極めて急性期の患者では、屋外歩行が可能になった患者でも、脳浮腫による意識障害を伴っていたことから、JSSの特徴上スコアが著しく悪くなり、予測に反映されない症例もある。このような場合には予後予測を確実にするために、合併症の存在や画像所見も考慮する必要があると思われる。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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