理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: EP330
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成人中枢神経疾患
脳卒中患者の急性期座位バランスと退院時歩行能力との関係
*北村 健金井 義則場工 美由紀宮脇 智
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抄録
【はじめに】脳卒中患者の歩行自立の到達には座位バランスが良好であることが機能予後の一つの指標とされている。また、座位バランスが良好に経過する者は、歩行能力が向上しやすいと言われている。しかし、急性期での報告は少ない。今回、我々は発症早期の脳卒中患者の座位バランスと退院時歩行能力との関係、座位バランスの経過と退院時歩行能力との関連を調査、検討したので報告する。
【対象・方法】2000年11月から2002年10月までに当院に入院した初発の脳卒中患者で、発症後14日以内に座位バランステストが可能だった47名を対象とした。測定日に杖無歩行自立のものは除いた。入院時の座位バランス・麻痺側下肢運動機能(運動機能)・麻痺側下肢感覚機能(感覚機能)と退院時歩行能力との関係を分析し、また、分類した3群の座位バランス経過とそれぞれの退院時歩行能力を比較検討した。座位バランステストは端座位下で、1)不可、2)軽介助、3)60秒可能、4)頚・上肢挙上運動可能、5)体幹の自動運動可能、6)体幹の抵抗運動可能の6段階とし、入院時と退院時に測定した。座位バランス経過では体幹の自動運動可能を動的自立とし、入退院時共に座位バランスが動的非自立で経過した群(非自立群)、入院時非自立から退院時自立へ改善した群(改善群)、入退院時共に座位バランスが動的自立で経過した群(自立群)とした。入院時の運動機能と感覚機能にはSIASを退院時の歩行能力はFIMの移動能力項目を用いて測定し、分析にはSpearmanの順位相関係数、Kruskal-Wallisの検定を用いた。
【結果】入院時座位バランスと退院時歩行能力は、有意な相関が見られた(rs=0.66,P<0.001)。入院時運動機能は、退院時歩行能力と有意な相関が見られた (rs=0.71,P<0.001)。入院時感覚機能については、有意な相関が見られたが相関係数は低い結果となった(rs=0.41,P<0.05)。経過3群は非自立群10名、改善群14名、自立群23名となり退院時歩行能力は3群間で有意差が認められ(P<0.001)、多重比較では非自立群と自立群(P<0.01)、非自立群と改善群に有意差が認められた(P<0.05)。
【考察】麻痺側下肢運動機能のみならず、発症早期の座位バランスが退院時歩行能力の指標となると考える。入院早期に動的座位が自立だった症例は、18名(78%)が監視以上の歩行が可能となっており、座位の経過については、非自立群の全例が歩行非自立であった。動的改善群は麻痺側下肢運動機能の回復がみられるものは、歩行自立している。退院時歩行能力は入院早期での座位バランスが良好であること、経過では、座位バランスが動的可能へと改善するとともに麻痺側下肢運動機能の回復の見られることが、歩行自立への条件と考える。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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