理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: EP678
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成人中枢神経疾患
当院回復期リハビリテーション病棟の効果
FIMによる重症分類からの検討
*荒尾 雅文木野田 法子吉村 尚子八木 朋代中村 嘉宏八田 奈々乃宮下 有紀子
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抄録
【はじめに】当院では在宅復帰、寝たきりの防止、ADLの自立を目標に掲げ、平成13年11月より回復期リハビリテーション病棟(以下回復期リハ病棟)を設置している。しかし回復期リハ病棟の理念の通り在宅復帰できるケースばかりではなく、治療効果が出ず在宅へ移行しにくいケースも多い。今回は今後の治療の一助とするためFIMを使い重症度別に転帰、回復度等を調査した。【対象、方法】対象は平成14年4月から10月までに当院回復期リハ病棟を退院した者で、急性発症した脳血管障害患者(以下CVA)43名中、状態悪化しリハ中止となった2名を除く41名(男性20名、女性21名)とした。平均年齢70.8±11.0歳。疾患は脳梗塞27名、脳出血8名、その他6名、麻痺側右15名、左19名、両側3名、明らかな麻痺なし4名。リハは2単位を基本とし週5日行った。治療内容は基本動作訓練を主体とし、改善した動作を可及的速やかに病棟に伝達し実際のADLを上げるチームアプローチを行った。調査方法は対象をFIMにより3群(重度群<54点、中等度群<108点、軽度群)に分け在院日数、自宅退院率(以下自宅率)、歩行自立率を調査した。また3群間において得られた結果を自宅率、歩行自立率においてはχ二乗検定にて、在院日数、FIM利得についてはクラスカル・ワーリス検定を使用し有意差を検討した。【結果】_丸1_分類:重度群(以下重)14人、中等度群(以下中)16人、軽度群(以下軽)11人。_丸2_在院日数:全体79.0±42.9日(重)90.8±55.1日(中)93.1±26.3(軽)47.1±10.6、_丸3_転帰、自宅率:全体65.9%(重)14.3%(中)87.5%(軽)100%、_丸4_歩行自立率:開始時〔以下開〕14.6%、退院時〔以下退〕51. 2%(重)0%(中)62.5%(軽)100%、_丸5_FIM:〔開〕71.6±36.4〔終〕87.7±38.7(重)〔開〕28.6±12.2〔退〕38.8±22.2(中)〔開〕79.3±14.3〔退〕108.1±9.7(軽)〔開〕115.2±5.9〔退〕120.4±5.2。自宅率、歩行率、FIM利得、在院日数では3群間にて危険率1%で明らかな差が見られた。【考察】今回の調査から歩行率、在院日数、FIM利得で、3群間で差が見られた。これは重度CVA群のほとんどが歩行は不能で、また療養病棟へ転棟する傾向があり、軽、中等度のCVA群は回復期リハの理念どおり、順調な回復を経て期間内の自宅復帰が可能となることを示唆する。しかし重度群でもFIM利得10以上の者も多く存在した。重度群に関してはさらに調査を進め治療内容の再検討をしていくこと、またFIMに反映しない部分でも対象者のために必要なことを模索し、効果を何らかの形で証明することが必要であろう。今後重度CVA者へのリハのアプローチ方針を明確化していくため、予後を長期的にみて重度患者の追跡調査を行っていきたい。そして重度CVA者に回復期リハ病棟で行うべきこと、さらに療養病棟でのリハのあり方についても検討を進めていきたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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