理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NP380
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測定・評価
ビデオ画像を用いた姿勢フィードバック装置の有効性
*増本 正太郎
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抄録
【目的】水平面上での頭部位置の変化を上方よりビデオカメラを通してディスプレイ上に写し出し、姿勢安定性に関する成績を患者自身に視覚的にフィードバックさせながら評価、練習出来る姿勢フィードバック装置を開発したので、その有効性を検証する目的で研究を行なった。【方法】1.対象 平均年齢27.0±4歳の健常者10名(男5名、女5名)2.方法 以下の手順で姿勢フィードバックを行った場合と行わなかった場合(前方注視と閉眼)とで姿勢安定性に関する成績の比較を行った。1)被験者の頭頂部に認識しやすい円形マーカを取り付け、水平面上での頭部位置が天井方向に設置されたデジタルビデオカメラを通して、騎乗者正面のパソコンディスプレイ上にリアルタイム画像として表示される。2)ディスプレイ映像内で被験者の頭頂部を含む水平面上の距離を確定(カメラに対して垂直な二次元キャリブレーション)する。3)任意の大きさに設定出来る円形の頭部位置目標域(半径35mmに設定)がモニター画面に提示され、騎乗者の頭頂部がフレーム内の中心に位置するようカメラを設営する。姿勢フィードバックを行う場合、被験者は両上肢を腕組みをし、外乱負荷中に頭部位置がこの円内に収まるよう、頭部・体幹を貫く垂直軸方向のバランスをとりながら姿勢を安定させる課題が1分間与えられた。4)坐位外乱負荷装置には松下電工製乗馬療法機器を用い、座面中心部の負荷としてはlow speed設定で、X(左右sway)方向振幅37.5mm、Y(前後 slide)方向は84mmとした。5)姿勢フィードバックをかけない場合はパソコンディスプレイを視野外に置いての前方注視(開眼)と閉眼の2条件で実施した。座位の安定性を定量的に比較するため頭部位置が単位時間内に目標域に収まった円形フレーム内滞在時間と水平面上の頭位動揺軌跡長を計測した。【結果と考察】開発したマーカ位置追尾式姿勢フィードバック装置を用いて、姿勢制御に与える効果を健常者10名を対象として測定した。今回1回のみの試行であったが、頭部位置を視覚的に目標域内に収める課題によって円形フレーム内滞在時間は前方注視時・閉眼時に比べ有意(p<.01)に改善を示した。これとは逆に閉眼時は主として前庭覚や固有受容器を通じて頭位を知覚しており、頭部動揺を抑えることが困難で、頭位動揺軌跡長は開眼時に比べ延長した(p<.05)。このことから頭部位置変化を表すフィードバック信号が視覚連合野から大脳皮質に入力、各種運動覚と統合された結果、姿勢筋活動に選択性を与え、適切な閉回路が形成されたものと推察された。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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