理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NP729
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測定・評価
ハンドヘルドダイナモメーターによる等尺性股屈曲筋力の測定
ベルトの固定方法、および測定姿勢の影響
*加藤 宗規山崎 裕司
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抄録
【はじめに】ハンドヘルドダイナモメーター(以下、HHD)の徒手使用の際に起こる測定誤差を補う方法として、我々は固定用ベルトを使用したHHDによる等尺性膝伸展、および股外転筋力測定方法を報告した。本研究では、ベルトを用いて固定性に配慮したHHDによる股屈曲筋力の測定方法を3通り考案し,比較検討した.【対象と方法】対象は参加に同意を得た健常者20名(男9名、女11名)、年齢20.0±0.6歳、身長163.4±9.3cm、体重56.3±7.1kgの両下肢、計40脚である。股関節の整形外科的疾患や股関節痛を有する脚はなかった。HHDはアニマ社製徒手筋力測定器μTas MF-01を使用した。股屈曲筋力は、端坐位での等尺性股屈曲筋力を測定した。体幹は垂直位(以下、90度屈曲位)、および垂直位から45度後方へ傾けた状態(以下、45度屈曲位)の2肢位で測定を行い、体幹を安定させるために体の両脇の台上に手を置かせた。そして、センサー部を面ファスナーで大腿遠位部前面に当て、固定用ベルトの長さを調節し、ベッドの支柱に連結した状態で測定を行った。測定中はずれを防止するため検者がセンサー部を把持した。また、体幹垂直位での測定では、固定用ベルトをベッドの支柱に連結する代わりに、検者(身長180cm、体重57kg)がベルトを足で床に踏みつけての測定(以下、90度足踏み)も行った。いずれも,約5秒間の最大努力による股屈曲運動を30秒以上の間隔をあけて2回行い、その最大値を採用した。検者内再現性を検討するために、測定は日を変えて2度行った。データの分析には,対応のあるt検定、級内相関係数(以下、ICC)、および一元配置の分散分析、ピアソンの相関係数を用いた。なお、危険率5%をもって有意と判断した。【結果】90度屈曲位における股屈曲筋力値は1日目、2日目の順に、25.02kg、25.08kg、90度足踏みにおける値は同様に、21.17kg、21.54kgであった。45度屈曲位における値は同様に、26.10kg、27.81kgであった。いずれも両日の測定値の間には有意差は認められず、検者内ICCは、90度屈曲位0.982、90度足踏み0.916、45度屈曲位0.980であった。1日目の値では45度屈曲位・90度足踏み間で有意差が認められ、各測定方法間のピアソンの相関係数は、90度屈曲位・90度足踏み間で0.857、90度屈曲位・45度屈曲位間で0.947、45度屈曲位・90度足踏み間で0.901であった. 【考察】各測定における検者内の比較では、有意差が認められず、ICCも良好な値を示したことから、いずれの測定とも良好な再現性を有するものと考えられた。したがって、同一検者で同一方法を用いた測定値の比較には問題ないものと考えられた。1日目の測定値を用いて検討した各測定方法間の比較では、いずれの組み合わせにおいても相関係数は高値を示したが、測定方法間で平均値には有意差が認められた。したがって、異なる設定の測定値を比較するのには問題が生じ、測定姿勢を規定する必要があると考えられた。今後、異なる検者での測定や他測定機器との比較を行い、臨床への応用について検討を重ねていきたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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