抄録
【はじめに】沖縄県介護老人保健施設(老健と略記)協会Bブロックでは、老健の理学療法士・作業療法士(PT・OTと略記)の業務の見直しをはかるために、ブロック内8施設のデスクワーク関連の業務書類を持ち寄って比較したところ、様式その他において各施設異なることがわかった。それならば、県下老健施設全体ではどうかと考え、特に書類業務についてのアンケート調査を試みたので報告する。【調査対象・回答者】県内の老健全41施設中、沖縄県老健施設協会リハビリテーション(リハと略記)連絡会に参加した30施設のPT・OT。【調査方法】上記リハ連絡会に参加した各施設代表者に、記名にてその場で記入提出してもらった。【調査内容】施設概要として、名称・入所者数・通所利用者数・スタッフ数・関連施設などを聞いた。業務についての項目は、事前に開かれた地区会議での検討事項を参考に、主に書類に関連する業務について演者が任意に選択した。項目は1)リハカルテ、2)リハ評価、3)個別訓練名簿、4)リハ指示箋、5)継続判定会議記録、6)入退所検討会議記録、7)ケアプラン会議録、8)リハ情報提供書、9)病棟ADLチェック表などであった。記入は有無を記入し、空欄に自由記載で内容の説明を書き入れてもらった。【結果】集計後、各項目について以下の点が注目された。1)本カルテへの記載の有無。2)評価時期・記録方法などで、各施設独自の工夫をしていた。3)名簿は28施設であったが、必ずしも全利用者に個別訓練を実施しているわけではなかった。4)7施設で指示箋無し、要否については意見分かれた。5)会議は22で在り、8施設で無しであった。6)入所検討のみの施設がほとんどであった。7)会議そのものは27施設であるとしていたが、リハスタッフの参加の形態は異なっていた。8)様式ありが17施設あったが、提供の有無は様々であった。9)チェック表は17施設であると答えたが、チェック方法はリハ評価で行うなど、様々であった。自由記載の内容についてはポスターにて供覧したい。【考察】演者が選択した項目に関連する書類は、ほとんどの施設で存在するものであったが、その内容および重要度の認識については個々に施設で異なった対応をしているものが見られた。今回は書類業務についての現状把握のための調査であったが、今後はさらにリハ業務全体とデスクワークの関連も調査すべきと考える。最終的にはPT・OTなどが直接かかわる文書業務の整理統合が実施され、老健施設におけるPT・OTの役割が全国的に統一されることが望ましい。