理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: PP268
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地域リハビリテーション
沖縄県における地域リハビリテーション支援体制整備推進事業の活動状況について
*金澤 寿久小橋川 敦渡久山 竜彦宮本 明子小波津 愛貞松 徹仲栄真 勝又吉 綾安慶名 栄輝江頭 有朋今村 義典末永 英文
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抄録
【はじめに】沖縄県における地域リハビリテーション支援体制整備推進事業(以下 地域リハ推進事業)の取り組みは、平成12年度に「沖縄県リハビリテーション協議会」の立ち上げより始動した。同年当院が「沖縄県リハビリテーション支援センター」(以下 支援センター)の指定を受け、離島を含めた県全域での地域リハ推進事業を展開していくこととなった。今回、当院が指定を受けた3年間の支援センター活動状況をまとめたので報告する。【支援センター活動内容】〔平成12年度〕1)住宅改修事業の取り扱い方法や実例の調査(市町村対象)、2)地域リハ推進事業の啓蒙を目的とした「沖縄県リハビリテーション研究会」の開催、3)沖縄本島・離島でのリハビリテーション技術講習会の開催、4)地域での情報共有化を目指した「リハビリテーション手帳」の作成〔平成13年度〕1)第2回沖縄県リハビリテーション研究会の開催、2)「リハビリテーション手帳」の試験配布、3)沖縄県地域リハビリテーション広域支援センター(以下 広域支援センター)未設置である離島でのリハビリテーション技術講習会の開催、4)広域支援センター未設置である離島での地域リハ推進事業の啓蒙および広域支援センター活動の援助〔平成14年度〕1)第3回沖縄県リハビリテーション研究会の開催、2)「リハビリテーション手帳」の配布活動、3)離島でのリハビリテーション技術講習会の開催、4)「リハビリテーション介護技術ビデオ」作成およびレンタル事業、5)「沖縄県リハビリテーションマップ」作成に関する調査。【考察】沖縄県の場合、支援センターの指定より1年遅れで広域支援センターが指定されたため、当初は支援センターが広域支援センターの役割も兼ねて実施して行かざるを得ず、地域リハ推進事業の事業展開を通じて、「地域リハビリテーション」はおろか「リハビリテーション」自体の啓蒙活動をも網羅した事業展開が必要となり、沖縄県本島北部・中部・南部の保健福祉3圏域、宮古・八重山保健福祉2圏域(離島圏)に対し、事業展開を実施していった。しかし、5つの圏域間では、地域ごとの施設整備状況やリハビリテーション関連職種のマンパワー状況等、地域毎の温度差を認め、同列に事業を開始する事自体困難な状況であった。そのため、各広域支援センターとの協力体制の構築と各広域支援センターによる各地域でのネットワーク作りにより事業を効率化していくことが望まれる。しかし、広域支援センター指定の遅れより、各地域ごとのネットワーク作りにかなりの時間が費やされる事が予測され、今後の地域リハ推進事業を展開していく上での課題となった。【まとめ】本事業自体既成のモデルが無い状況で地域リハ推進事業活動を手探りで実施してきた。県内の円滑な地域リハ推進事業を推進していくためにも、今後、5箇所の広域支援センターとの連携体制を構築していく必要が急務となっている。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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