抄録
【目的】1,Aマシン負荷値別およびB準備運動(NHK”みんなの体操”を使用)の姿勢別に酸素摂取量(VO2)、血圧変化、心拍数変化を測定する。2,マシン別、姿勢別に前後差を統計学的に検討する。3,研究会方式による負荷値の安全性を心肺負荷的観点より検証する。【対象と方法】対象はA健常成人14名、B15名、A平均年齢29.0歳、B29.3歳、A平均体重61.3kg、B63.5kgであった。運動課題は準備運動では座位、立位の姿勢別にマシン負荷は下肢ホリゾンタルレッグプレス(HLP)と上肢チェストプレス(CP)とした。事前準備としてBorgの主観的運動強度(RPE)を使用し、楽である(RPE11)を決定し、それを基準として”ちょうどいい”、ややきつい(RPE13)の負荷値を決定した。施行手順は順不同にマシンの選択と負荷値の選択、および準備運動の姿勢選択を行い、マシン負荷は1施行8秒、1セット10回でセット間のインタバルは20秒にて3セット施行した。呼気ガスは携帯用酸素消費量測定装置を用いて測定した。その他、血圧(BP)、心拍数(HR)を測定した。マシン負荷値でのVO2は終了直後30秒間の3つの値を、準備運動では開始後3分15秒から4分の4つの値を代表値とした。BP、HRは安静時、負荷終了直後の値を代表値とした。これらの前後差を有意水準5%にてノンパラメトリック検出した。【結果】HLPでのRPE11、12、13のVO2平均値は4.9±1.0ml/kg/min、5.6±1.5ml/kg/min、6.4±1.9ml/kg/minであり、各々において有意差が認められた。CPでのRPE11、12、13のVO2平均値は4.8±1.4ml/kg/min、5.4±2.0ml/kg/min、5.8±2.4ml/kg/minであり、RPE11と12においては有意差を認めたが、RPE12と13においては有意差はなかった。HLP、CPでのRPE11、12、13の各々のΔHR、CPでのΔSBPにおいて有意差がみられたが、HLP、CPでのΔDBP、HLPでのΔSBPにおいて有意差はなかった。PRPにおいてはHLP、CPでのRPE11、12、13の各々において有意差がみられた。準備運動では立位でのVO2は平均値11.9±4.0ml/kg/min、座位では同様にVO2は平均値6.6±1.8ml/kg/minであった。2つの課題において有意差を認めた。立位のΔHRと座位のΔHRにおいては有意差を認めた。立位のΔSBPと座位のΔSBP、立位のΔDBPと座位のΔDBPにおいては有意差はなかった。【考察】VO2においてHLPではRPE12において約1.5METS、最大2.7METS、CPで約1.5METS、最大2.7METSと同程度の運動強度となり、研究会方式による負荷値において安全性が確認された。また、自覚的訴え“ちょうどいい”はRPE12に相応すると考えられた。今回の結果ではCPはHLPより心負荷は高い傾向にあり、特に心機能障害等の内部疾患を有する患者ではそれらのことを熟慮する必要性があると考えられる。準備運動では座位VO2はマシン負荷とほぼ対価となりウォーミングアップとして有効で安全である事が検証された。