抄録
【はじめに】パーキンソン病(以下PD)に対してパワーリハビリテーション(以下PR)を施行した3症例についてその効果に関して報告する。【対象】PRの目的を充分説明され、本事業に参加した外来患者のうちPDを有する3名。症例159歳男性。発症からの経過期間3年。開始時所見はHoehn&Yahrの重症度分類Stage2(以下Stage)Unified Parkinson's Disease Rating Scale(以下UPDRS)60点。Barthel Index(以下BI)100点。投薬はL-dopa・DCI合剤1剤、ドパミン作動薬1剤、ノルアドレナリンのプロドラック1剤、MAO-B阻害剤1剤であり、コンプライアンスは良好であった。症例255歳男性。発症からの経過期間7年。開始時所見はStage3。UPDRS71点。HDS-R30点。BI95点。要介護度未申請。投薬はL-dopa・DCI合剤2剤、ドパミン作動薬1剤であり、Wearing-off現象と効果発現時期の不随意運動を認めたが精神症状は認めなかった。症例355歳男性。発症からの経過期間8年。開始時所見はStage4。UPDRS83点。HDS-R27点。BI25点。要介護度5。投薬はL-dopa・DCI合剤1剤、ノルアドレナリンのプロドラック1剤で、Wearing off現象、on-off現象を認めた。【方法】平成14年9月よりPRトレーニングプログラム運営の基礎理論に基づいてPRを週2回の頻度で12週施行し、PR開始時、終了時にUPDRS評価、運動体力測定を中心に評価を行い比較検討した。【結果】いずれの症例もStageの変化は認めなかったが、症例1はUPDRS60点から31点とADL・運動機能項目では会話と書字、歩行、姿勢などで改善が見られ、上肢機能面で変化が緩徐であったが外出時の家族の付き添いが不要となった。症例2はBIが95点から100点、UPDRS71点から48点と精神機能面で変化し表情が明るくなった。ADL・運動機能項目では上肢下肢機能、姿勢、歩行で改善が見ら、振戦、固縮では変化が見られなかったが、妻の介護時間が軽減した。症例3はBIが25点から45点、UPDRS88点から64点となり、ADL・運動機能項目では姿勢と歩行がが改善し、食事や更衣などのセルフケア場面での変化は見られなかったが妻やペルパーの介護時間が軽減した。PR開始時と終了時の体力測定項目の握力、開眼片足立ち(以下OFS)ファンクショナルリーチ(以下FR)、長座位体前屈、timed up&go(以下TUG)、2分間足踏みでは症例1、症例2は全項目で改善が見られ、症例3においてもTUG以外の項目で改善が認められた。【まとめ】本研究の症例はstageも異なり、薬物のコンプライアンス良好症例と不良症例が混在していたが、3症例とも12週間のPR実施により介護量が軽減し生活の質の改善が得られた事から本法の有効性を示唆した結果となった。今後、症例数を増やし効果機序を明らかにしていく事を課題としたい。