理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: BP297
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運動・神経生理
足底筋からヒラメ筋に対する短潜時抑制の歩行時の変化
第二報
*東海林 淳一田中 直次郎小林 賢牛場 潤一高橋 修上迫 道代小宮山 一樹正門 由久千野 直一
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抄録
【はじめに】 我々は、ヒト足底筋からヒラメ筋に対する短潜時抑制が、歩行時とくに立脚中期に減少することを表面筋電図を用いて報告した。 本研究では、歩行時のこの抑制の変化をヒラメ筋H反射を用いて検討した。【対象と方法】 対象は健常成人5名(年齢23-44歳)とした。 研究方法は、まず、安静座位にて、足底神経刺激を条件刺激、脛骨神経刺激を試験刺激として、条件刺激-試験刺激間の刺激間隔を0msから20msまでの2ms間隔、および試験刺激のみでランダムに変化させ、そのときのヒラメ筋のH反射振幅を測定した。座位は、右膝関節軽度屈曲位、足関節中間位で固定とした。 次に、トレッドミル歩行時のヒラメ筋のH反射振幅を測定した。測定は、踵接地直後から500msまでの100ms間隔で行い、安静座位での結果より、条件刺激-試験刺激間の刺激間隔を最もH反射振幅が減少する間隔に固定したとき、および試験刺激のみでランダムに測定した。 なお、条件刺激強度は短母趾屈筋のM波閾値の1.2倍(1.2×MT)とし、試験刺激強度は、安静座位・歩行時とも、常に、ヒラメ筋のH反射振幅が同筋の最大M波振幅の約20%となる強度とした。また、測定は各条件で50回行い、全ての測定結果は、各条件の試験刺激のみのH反射を100%として抑制量を算出した。【結果】 安静座位では、H反射振幅が最も減少したのは、条件刺激_-_試験刺激間隔が14msのときであった。この刺激間隔を用いて測定を行ったトレッドミル歩行においても、試験刺激のみよりも、常にH反射振幅は減少していた。さらに、その減少量は安静座位時よりも少なく、特に立脚中期に少なかった。【考察】 歩行時にH反射振幅の減少量が変化していることから、足底筋からヒラメ筋への短潜時抑制が、歩行に伴って変化していることがH反射においても確認された。ネコでの実験では、足底筋からヒラメ筋への抑制にIb抑制の関与が考えられており、その抑制が歩行時に変化することが報告されている。第一報での表面筋電図の結果と今回の結果より、ヒトにおいてもそのことが確認され、ネコと同様の機序が存在すると考えられた。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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